アメリカ・バスケットNBAクリッパーズの危機・選手の試合ボイコット? KeyMaker 2014年4月30日 By: Danny Bollinger いまアメリカのプロバスケットボールは、プレーオフの真っ最中です、たいへん盛り上がっています。 プレーオフとはレギュラーシーズンで行われた試合結果で出場資格を得られる順位決定戦のこと。 プレーオフはみんなの注目度がとても高く、はっきり言ってお金が儲かるので、レギュラーシーズンよりも目が血走ってみんな熱中しています。 そんなプレーオフが行われているまっ最中に、プレーオフ出場チームのクリッパーズに危機が来ました。 それは、クリッパーズのドナルド・スターリング・オーナーが黒人に対する人種差別的な発言をしたと報道されたためです。 その発言は、”N”で始まる単語を度々使い、黒人を馬鹿にし差別する発言だったのです。 この発言内容がテレビなどで放送されまくっていたのです。 このオーナーは、差別発言を以前から行い、業界では問題のあるオーナーだと認識されていたようです。 しかし、今回の発言は選手達の怒りを買いました。 選手達の怒りはスターリング・オーナーをやめさせる方向に向かい、実力行使に出たのでした。 それはクリッパーズの選手達がプレーオフをボイコットすると表明したのです。 事態はとてつもなく大きくなりました。 選手がプレーオフの試合をボイコットする? そんな事態になると、NBA及びNBAのスポンサー企業及び関連産業の企業が経済的なとてつもなく大きな打撃を受けます。 さらには、スターリング・オーナーが経営するクリッパーズをスポンサードする企業も打撃を受けるでしょう。 この事態にNBAのアダム・シルバー・コミッショナーは素早く対応しました。 その対応を説明する前に、NBAのチーム名とそのホームを確認しておきましょう。 NBAは2つのカンファレンスからなります。 カンファレンスは野球で言えばリーグと同じです。 各カンファレンスは3つの地区に分かれており、一つの地区には各5チームが存在します。 NBA全体で30チーム存在します。 問題のクリッパーズは、ロサンゼルス・クリッパーズでホームはカリフォルニア州ロサンゼルス、で本拠地はステイプルズ・センター(屋内競技場)です。 By: Prayitno/more than 2.5 millions views: thank you! 年間400万人がステイプルズ・センターを訪れ、すさまじい経済効果を発揮しています。 バスケットボールだけでは無く、グラミー賞や世界フィギュア選手権も開催されるほど有名です。 イースタン(東)・カンファレンス 地区名 チーム名 ホーム地名・本拠地名 アトランティック ボストン・セルティックス Boston Celtics (BOS) マサチューセッツ州ボストン TDガーデン ブルックリン・ネッツ Brooklyn Nets (BKN) ニューヨーク州ニューヨーク・ブルックリン区バークレイズ・センター ニューヨーク・ニックス New York Knicks (NYK) ニューヨーク州ニューヨーク・マンハッタン マディソン・スクエア・ガーデン フィラデルフィア・セブンティシクサーズ Philadelphia 76ers (PHI) ペンシルベニア州フィラデルフィア ウェルズ・ファーゴ・センター トロント・ラプターズ Toronto Raptors (TOR) オンタリオ州トロント エア・カナダ・センター セントラル シカゴ・ブルズ Chicago Bulls (CHI) イリノイ州シカゴ ユナイテッド・センター クリーブランド・キャバリアーズ Cleveland Cavaliers (CLE) オハイオ州クリーブランド クイックン・ローンズ・アリーナ デトロイト・ピストンズ Detroit Pistons (DET) ミシガン州デトロイト ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズ インディアナ・ペイサーズ Indiana Pacers (IND) インディアナ州インディアナポリス バンカーズ・ライフ・フィールドハウス ミルウォーキー・バックス Milwaukee Bucks (MIL) ウィスコンシン州ミルウォーキー ブラッドリー・センター サウスイースト アトランタ・ホークス Atlanta Hawks (ATL) ジョージア州アトランタ フィリップス・アリーナ シャーロット・ボブキャッツ Charlotte Bobcats (CHA) ノースカロライナ州シャーロット タイム・ワーナー・ケーブル・アリーナ マイアミ・ヒート Miami Heat (MIA) フロリダ州マイアミ アメリカン・エアラインズ・アリーナ オーランド・マジック Orlando Magic (ORL) フロリダ州オーランド アムウェイ・センター ワシントン・ウィザーズ Washington Wizards (WAS) ワシントンD.C. ベライゾン・センター ウェスタン(西)・カンファレンス 地区名 チーム名 ホーム地名・本拠地名 ノースウェスト デンバー・ナゲッツ Denver Nuggets (DEN) コロラド州デンバー ペプシ・センター ミネソタ・ティンバーウルブズ Minnesota Timberwolves (MIN) ミネソタ州ミネアポリス ターゲット・センター オクラホマシティ・サンダー Oklahoma City Thunder (OKC) オクラホマ州オクラホマシティ チェサピーク・エナジー・アリーナ ポートランド・トレイルブレイザーズ Portland Trail Blazers (POR) オレゴン州ポートランド モダ・センター ユタ・ジャズ Utah Jazz (UTA) ユタ州ソルトレイクシティ エナジーソリューションズ・アリーナ パシフィック ゴールデンステート・ウォリアーズ Golden State Warriors (GSW) カリフォルニア州オークランド オラクル・アリーナ ロサンゼルス・クリッパーズ Los Angeles Clippers (LAC) カリフォルニア州ロサンゼルス ステイプルズ・センター ロサンゼルス・レイカーズ Los Angeles Lakers (LAL) カリフォルニア州ロサンゼルス ステイプルズ・センター フェニックス・サンズ Phoenix Suns (PHX) アリゾナ州フェニックス USエアウェイズ・センター サクラメント・キングス Sacramento Kings (SAC) カリフォルニア州サクラメント スリープ・トレイン・アリーナ サウスウェスト ダラス・マーベリックス Dallas Mavericks (DAL) テキサス州ダラス アメリカン・エアラインズ・センター ヒューストン・ロケッツ Houston Rockets (HOU) テキサス州ヒューストン トヨタセンター メンフィス・グリズリーズ Memphis Grizzlies (MEM) テネシー州メンフィス フェデックス・フォーラム ニューオーリンズ・ペリカンズ New Orleans Pelicans (NOP) ルイジアナ州ニューオーリンズ ニューオーリンズ・アリーナ サンアントニオ・スパーズ San Antonio Spurs (SAS) テキサス州サンアントニオ AT&Tセンター テキサス州ヒューストンのヒューストン・ロケッツ(ウェスタンカンファレンス、サウスウェスト地区)を観てください。 日本人にはなじみ深いトヨタ自動車があります。 これは、2003年にトヨタ自動車の米国法人が1億米ドルで命名権を獲得し、トヨタセンターと名付けたものです。 トヨタもアメリカでは一般的なんですね。 この件で、クリッパーズのスポンサー企業は軒並みスポンサー契約を打ち切る表明をしました。 NBAへの打撃です。 さてNBAのアダム・シルバー・コミッショナーは素早い対応を行いました。 リーグからの永久追放と250万ドル(約2億5600万円)の罰金処分です。 永久追放の内容は、クリッパーズの運営に関していかなる役目を務めることを禁止し、またリーグ理事の一員としての役割を果たすことも禁じるものです。 さらには選手が練習する場所にも行けない、NBAの試合を会場に見に行くこともできない、つまりあらゆるNBAの活動から追放されたのです。 それと、罰金2億5600万円です。 実質的に今後クリッパーズのドナルド・スターリング・オーナーは球団の経営をできない事になります。 しかし、スターリング・オーナーを球団から外すためには、球団の売却をさせる必要があります。 球団を売却させるには、オーナー会での投票で現オーナーのうち4分の3の承認が必要になります。 アメリカのオーナーは世論を良く聞きます。 差別発言者の肩を持つような行為はしないでしょう。 従って、ドナルド・スターリング・オーナーは球団を売却しなければならないでしょう。 でも、これには裏があって、この一件で知名度をかなり上げたクリッパーズは、売却の際かなりの高値で売却されるとの見通しです。 つまり、もともと売却する意志がオーナーに有ったとすれば、この発言で一番得をしたのはスターリング・オーナーだということになります。 自分を差別主義者に祭り上げて高値で球団を売却する。 もともとの差別主義者であれば、世論にどう評価されようと関係ないでしょう。 しかし、コミッショナーの対応により、クリッパーズの危機は回避され収束の方向へ向かっています。